信濃三十三番札所巡り 5番妙音寺
信濃三十三番札所巡りの5番は妙音寺です。長野県千曲市にあるので行ってみました。山の斜面に食い込むように建っています。(画像中央のいかにも古そうな建物)
近づいてみると、入り口の石垣に確かに妙音寺の看板がありました。
入口からこんな感じの石段を登って本堂に向かいます。
境内から見た本堂はこんな感じで、寺としての体裁が失われているように見えます。それでも境内はきれいに雑草も刈られていて美しさを保っています。このアンバランスな感じが不思議です。
もう少し近づいてみます。
入り口は全て塞がれていて、外壁はかなり傷んでいます。お寺としての機能は無いようですね。こんな看板を見つけました。ご本尊は禅透院という所に引っ越しているようです。それほど遠くでは無いようなので行ってみました。
禅透院は立派なお寺でした。
境内の一角に妙音寺のご本尊を収めるお堂がありました。
看板の文字のかすれ具合を見る限り、妙音寺から移動してきたものと推察されます。ご本尊は十一面観世音菩薩だそうですが、それを見ることは出来ませんでした。
開基は平安初期だそうです。坂上田村麻呂が、京の青年仏師に頼まれ、東征に向かう途中でこの地に立ち寄り、一体の十一面観音を安置したのが始まりと言い伝えがあります。観音像は、青年のふるさとである倉科の里(千曲市)に住む恋しい娘の面影を映した姿。美しい恋人を忘れられずに京で仏師となった青年が、思いを込めて彫ったものを、征夷大将軍に託したと伝説は伝えています。
坂上田村麻呂が征夷大将軍に任命されたのが西暦797年だそうですから、事実はどうあれ1200年も前の出来事が今に伝えられているというのは、妙音寺の存在が地域の人たちにとって大切な存在だったことを感じさせます。